第一高等学校・東京大学弁論部

研究

研究局は定期的に読書会を開くための組織として近年創設された。読書会とは事前に決められた本を基に自由に議論する会である。しかしながら、読書会を開いているサークルは他にもある。では、研究局の存在意義とは何か。

貴殿が弁論やディベートをするならば。
弁論とディベートはどちらも競技である以上、大会という目標が設定され、そこでは順位や勝敗という形で評価が行われる。そして、大会で良い評価を得るためにはジャッジや聴衆に効果的に訴えかける話術が要求される。しかし、もちろん話術だけでは、ジャッジを説得したり、聴衆の心を打つことはできない。主張の核となる「理念」がしっかりしていなければ、どんなに優れたレトリックを用いようとも、それは中身のない空疎な議論になってしまう。弁論やディベートに不可欠な「理念」を養うこと。それこそが研究局のレゾンデートルである。読書会では、様々な問いに向き合い、議論する。これらの活動を通して、必ずや貴殿は弁論・ディベートの基礎、知性の根本となる、確固たる「理念」を打ち立てられるはずだ。

貴殿が読書会に専心するならば。
「読書会」という活動を選ぶとは、貴殿はまことに御目が高い。他サークルなどで行われる数多の読書会と、我が弁論部における読書会が決定的に異なる点は、その会合が、ディベートや弁論で鍛えられた優れた論客たちによって行われることといえよう。白熱した議論に、慧眼の貴殿もきっと満足するはずだ。

貴殿が上のどちらにも当てはまらないならば。
このページに辿り着きながら、弁論・ディベートにも、読書会にも興味を持たないとは、貴殿は極めて奇特な人物である。しかしながら、この研究局、見くびってもらっては困る。冒頭で述べたとおり、研究局は設立されたばかりの組織であり、活動は明確に決められていない。広範で実際的なテーマも扱う弁論部本郷支部との交流も盛んである。したがって、現在は読書会を中心に活動しているとはいえ、それが全てではないのだ。何かやりたいことがあれば、部室を訪ねてくれ。最大限の努力を約束する。

 純理部会のご案内

今年度、弁論部では純理部会という活動を行っていきます。純理部会では、毎週一回放課後に、カントの主著である純粋理性批判をドイツ語で最初から読んでいきます。我々と一緒に読んで議論してくれる仲間を募集しています。各回の出欠席は自由で気軽に参加することができます。ドイツ語は入部後に勉強を始めれば十分ですし、前提知識・第二外国語・所属科類は問いません。純理部会を通じて、哲学の要衝たるカントを訪れるとともに、テキストをできるだけ丁寧に読むという基本的実践を積んでいきましょう。また弁論部では読みたい他のテキストも読む機会があります。説明会にてお待ちしております。